千葉 税理士のコスト削減
ヘッジファンドは基本的にどんな運用をしてもいいのです。
しかも通貨、株式、為替などを単に買うだけではなく、デリバティブの手法で大きなリターンが期待できる点が特徴です。
つまり、ヘッジファンドを買うということはファンドマネジャーの腕を買うということに他なりません。
そのかわりヘッジファンドの多くは、SECに登録していないので、情報がほとんどわからないというデメリットもあります。
とくにLTCMは、大規模なファンドのなかでももっともディスクロージャーをしていなかったヘッジファンドでした。
レバレッジは一時、二五〇倍にも達していたことが後でわかり、関係者を驚かせました。
念のため言っておきますと、レバレッジを利かせないで、現物だけを売買しているヘッジファンドも結構あります。
またSECに登録をしていないので、目だった広告はできません。
だからこそ、募集できる投資家の数も限られ、最低投資額もミューチュアルファンドなどと違って高額なのです。
ヘッジファンドは、前ページの表のように大きく分けて六タイプあります。
ジョージ・ソロスのクオンタファンドやジュリアン・ロパートソンのタイガーファンドはグローパル・マクロに当てはまります。
世界中にはどのくらいの数のヘッジファンドがあるのかと思う読者もいるでしょうが、前に述べたように、SECなどに登録していないので正確な数字はわかりません。
ただ多くのヘッジファンドは、ソロスなどのヘッジファンドのようにネームバリューがあるものばかりではないので、評価会社に登録している場合が多いといえます。
登録しなければ、投資家から資金を集める手だてがないからです。
評価会社として代表的なMAR/Hedge社ではヘッジファンドのデータベースが二五〇〇社ほどあります。
なお、私はさまざまなヘッジファンドの情報を持っていますが、運用会社の依頼により直接のデータ、会社名をほとんど出せません。
そのため誰でも知っているソロスのクオンタファンドなど、メジャーなものを例にとって解説します。
その旨ご了承ください。
ヘッジファンドの概略を述べましたが、この本は単なる解説本ではありませんし、私も評論家ではありません。
単なる解説だけなら運用のプラスにはなりませんので、個人が購入できるかどうかをここで述べておきましょう。
ヘッジファンドの基本は私募投信であるので、規制で、参加できるのは九九人まででした。
さらに日本では、私募投信は認められていなかったので、ヘッジファンドが募集されることもありませんでした。
海外で投資しようとしても、九八年四月の外為法改正以前にはそれも無理でした。
つまり、日本でヘッジファンドへ直接投資することはほとんど不可能だったのです。
ただ後で述べますが、D謹券が販売している「スーパーヘッジファンド」といった、ヘッジファンドへ投資しているファンドがあり、間接的に投資することは可能でした。
しかし、九八年四月以降には、海外での投資が可能になり、先の参加人数制限も改定されたこともあって、情報とノウハウさえあればヘッジファンドに投資することも無理ではなくなり一般には募集していません。
またこれまでのました。
そして、九八年二一月一日の金融システム改革法施行により、日本国内でもついに私募投信の購入が可能になりました。
九九年以降、日本でもいろいろな商品が出てくることが期待されます。
購入方法はいろいろとあります。
インターネットで調べることも可能ですが、直接購入するのは絶対に危険です。
やはりヘッジファンドについて熟知している所を探して購入することが第一となります。
この点については追々述べていきます。
ヘッジファンドの魅力は何かと尋ねられれば、なんといっても「絶対リターン」です。
よく投資信託では、ベンチマークを何%アウト・パフォームしたとか、市場の状態が悪かったからこれこれ…といった説明がつけられます。
しかし、われわれ個人投資家にとって一番大切なのは、「どれだけ儲かったか」ということです。
これが最高・最後のヘッジファンドであるとは必ずしも言えません。
現在新しいヘッジファンドも次々と生まれており、読者にも第二のクオンタファンドに投資するチャンスはあります。
九六年からは、ソロスなどのハイリターンファンドと異なり、元本確保をしてなだらかな上昇を目指すファンドも誕生しました。
このタイプで代表的なファンドは、大半のファンドがぼろ負けした九八年八月には、信じられないことに一カ月のリターンが一〇%以上にもなりました。
ご参考までに、どのようなポジションが一カ月に一〇%以上というパフォーマンスを生み出したのかを左ページに掲載しておきます。
ヘッジファンドのことを一躍悪者にしたのは、九八年九月に実質破綻したLTCMでしょう。
LTCMはソロモンブラザーズで債券トレーダーとして九〇年から九二年で累計三〇億ドルの利益をたたき出したメリウェザー氏が設立しました。
FRBの元副議長デーピット・マリンズ、オプション理論などで有名なマイロン・ショールズ、デリパティプ・リスク管理論のロパート・マートン氏などもパートナー」として加わりました。
特にマリンズの経歴は、プッシュ政権時代に財務省で次官補、そしてFRBに入り、翌年には副議長になったほどの輝かしいものでした。
LTCMはメジャー・プレイヤーのヘッジファンドとして呼び声高く、創設時にいきなり一二億五〇〇〇万ドルが集まりました。
時代がよかったとはいえ、これはヘッジファンドのスタートとしては過去最高です。
実績もないヘッジファンドにこれだけの資金が集まったのは、投資銀行が二人のノーベル賞受賞者、ショールズ氏とマートン氏に加え、マリンズ氏の存在を過大評価したことが大きかったというのが真相です。
そして投資銀行が過大評価した結果、LTCMの破綻時には皮肉にも銀行が捨て金になるかもしれない緊急融資をしなければならなくなったのです。
当初LTCMは、その投資銀行の期待に応え、九五年四三%、九六年四一%、九七年一七%というパフォーマンスを出しました。
投資方法は先進国市場の債券の裁定取引が中心でした。
購入した債券を担保に組み入れ、レバレッジを可能にしましたが、融資側の銀行のなかには制限なく貸していたところもありました。
しかし九八年になって一気に戦略が狂います。
ドイツ国債を売って、イタリア、デンマークの国債に投資し、通貨統合による金利差縮小を狙うという戦略に出ましたが、ロシア危機の影響で市場はまったく逆の方向に動いてしまい、レバレッジが利きすぎていっきに損が膨らんだのが、破綻の原因になりました。
小さい利幅に大金を投じていたので、逆に動いた場合はひとたまりもありません。
やはり学者肌とか過去の経歴とかを過大評価するのはマーケットの世界では禁物なのです。
ファンドマネジャーも自分の資金を投資しているために、メリウェザー氏は大損しました。
友人がこれをタイタニックに喩えていましたが、これまでのいいことばかりにしか目が行かず、周りの者でさえ沈没することなど一%も考えず、ありえるはずがないと思っていたのです。
それが銀行の過剰融資になり、最後にはアメリカ全体の首までをしめそうな結果になったわけです。
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